幻想世界に化学的医療は定着するか -書籍『異世界薬局』感想-

   

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皆さんこんばんは。今日は試しに読んでみた小説について感想などを徒然と書いてみます。
話のネタバレはできるだけ避ける方向で。

ラノベ界は異世界ファンタジーが増殖中な模様

ここ最近、ネット発信の創作小説(ライトノベル)が人気なようです。アニメ化している作品もちらほら。
主な発信地として使われているのが、投稿サイト「小説家になろう(以下なろうと記載)」。
スマホでも読める形態から、ライトな創作小説を投稿する人も多いようです。

スマホで読むことが前提なので、一話一話は長くない。だからこそ投稿が続けられるのかもしれませんね。
過去に流行した、携帯小説がより発展したのがスマホ小説なんでしょうねえ。
私も趣味で小説を書いたり読んだりしますが、基本拘りすぎて長くなってしまうのが悩みの種です。
パソコンなのがいけないのか……うむむ。

一からオリジナルのお話を書くというのは、本当に難しいものです。
その中で、こういったサイトで連載を続けている方々には尊敬の念を抱きたくなりますね。

小説のあらすじと話の特徴

さて、今回読んだ『異世界薬局』も、そんな「なろう」発信作品の書籍化小説でした。
私としては、本で読むのもスマホで読むのも結構好きですよ。本の方がなんとなく多いですが。

この『異世界薬局』は、いわゆる転生モノ。
現代の人間がファンタジー世界に生まれ変わり、色々な活躍をするものです。
この手の作品は「なろう」には多いみたいですね。
私は他に『転生したらスライムだった件』という作品も好きです。

唯生まれ変わるだけではなく、最近の転生モノは「ファンタジー世界に現代の技術を持ち込む」という話が多い気がします。
この辺は、ファンタジー世界に現代的要素を加えた『まおゆう』辺りから拝見することが増えましたね。
『異世界薬局』も、この現代の技術を用いる系のお話のようです。

あらすじ
主人公は志半ばで過労死した薬学者。
過去の経験から「全ての人々を癒やしたい」と願っていた彼が再び目を覚ましたのは、「神術」なる異能を持つ者が貴族階級となる、現代とは異なる異世界。
貴族であり、この世界の薬学者にあたる「薬師見習い」の少年、ファルマとして転生した彼は、生まれ変わって得た力によってこの世界の医療を変えようと決意するのだった。

このファルマ少年、本来持っていた神術の代わりに、構造式が分かればあらゆる物質を無から生み出し、また消去できる能力を持って転生しています。
よく科学っぽい絵に使われている、六角形っぽいあれが構造式みたいですね。
私は化学式なんかはWikipediaなどで見るだけなのですが、専門家は実際に書けるんでしょうかね?
実際複雑な物質の構造式を書き出すシーンがあったので、その構造式をWikiで見たんですが
「これ何の迷路!?」と言いたくなるような見た目してました。

そんな力を持った薬学者が、医療レベルが低い世界を改革していくお話となっています。

異世界で何をどうするかはその人のスキル次第

この手のファンタジーが多いのは最初にも触れましたが、その中でなんでまた手に取ったかというと、私は医学とか薬学、薬物の「知識(ここ重要)」に興味があるんですね。
基本的にネットで見られる専門知識やら、薬なら画像や名前を見てニヤニヤしてるだけのオタク的好奇心です。
治療で出される処方薬を正しく服用するのだって面倒がってる人間なので、あくまで目に見えるものだけ知りたいだけなのです。
だもんで、内容に興味を惹かれた為に思わず購入した次第。

話は専門知識だけでなく、ファンタジーとしてもとても面白かったです。
中世フランス風の異世界、と世界観を限定してあるのも、文化的背景や医療的背景を踏まえて選んだのかしら、と思ったり。
中世ヨーロッパって、それこそ今でこそ根治していたり、治療法が確立した病気が猛威を振るっていたそうですし
(世界史程度の知識ですが)。

元々筆者さん自身ががん研究者であることもあって、この手の医学的知識にはとても明るいようです。
とはいえ、読者側はこれらの専門知識を必要としなくても読めるのが嬉しいところ。
医療の話だけかと思いきや、ハンドケアからメイクまで、関連する事柄にも触れた話になっているのには感心しましたね。
まさか異世界モノでCCクリームの名を見るとは……。

これらの「リアリティ」を上手くファンタジー世界に取り入れつつ、かと言ってファンタジーとしての幻想要素をないがしろにしないお話になっているなと思います。
「なろう」では現在進行形で連載しているようですので、今後どういった内容に触れるか気になりますね。

電子作品が書籍になるのはちょっとしたとっかかりになりそう

そんな訳で、素人なりに医学やら薬学に興味がある(あくまで娯楽的視点で)人間としては、切り口も面白く楽しく読めたライトノベル作品でした。

書籍は二巻まで販売されているようなのですが、その後の展開も気になるんで、せっかくなので「なろう」で読んでみてもいいかなとか思ってたり。
こんな風に、ネットメインでお話を読む人だけでなく、紙ベースで読む人のきっかけになる展開の仕方はいいよなあ、と私は思いますね。

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